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2017 UCI Gran Fondo World Championship参戦記 4 – アンドラはヒルクライム天国

今年のグランフォンド、もう少し走れたんじゃないのか?と思うところは多々あるが、それは来年への宿題としてとっておこう。そんな胸中の中、レース翌日の8月28日はアルビからトゥールーズを抜け、またピレネー山脈近くのフォワ(Foix)という街へ移動した。

フォワ近辺を散策

今回のコース

フォワはトゥールーズの南80kmほどのところにある。スペイン、アンドラ国境に近いので、アンドラへ行くためにもここを滞在地とした。ルルドのような大きな街ではないのは分かっていたが、滞在して結果、かなり小さい街だった。今回は市街地での宿泊ではなく、少し郊外にあるモーテルチックな場所を選んだ。愛用するホテル紹介・予約サイトでもある、Booking.comでも評判は上々だったし、車やロードバイクがあれば、さほど市街地に拘る必要もない。それでいて部屋も綺麗だったので、寝る場所を抑えるという最低限の目的が果たせれば良い自分には十分だった。

フォワ城と愛車

話を戻すと、アルビを朝に出発してこともあり、フォワには昼前に到着した。本当はホテルのチェックインが15時以降なのだが、車と荷物を置きたいということもあり受付に行くと、融通を効かせてくれて早々にチェックインをしてもらえた。その後は、例のごとく、Ride with GPSで最寄りのコースを検索し、ここで見つけた50km程度の周回コースをリカバリー強度で走ることにした。また、フランスを中心としたヨーロッパのヒルクライムプロファイル等を提供しているサイトCols Cyclisme も併用すると便利だ。フランス、スペインなどの有名どころの峠は全て網羅されていると思われる。コースの情報だけではなく、1km毎の平均勾配などもあるので、今から登ろうとする峠がどのようなものなのか?を知っておくのは大変便利だし、地図機能で検索すれば自分がいる最寄りの峠などもすぐに分かる。またMTBなどが必要なものは自転車マークで表記してくれているのも有難い。今後もヨーロッパに行く際には活躍しそう。

ツールの名残?自転車を使ったモニュメント

ホテルからフォワの市街地までは5km程。アリエージェ川横にフォワ城が見えると街の中心部だ。ぶっちゃけ街に何があるわけではないのだが、スマートフォンにダウンロードしたコースに沿って走って行く。細かなアップダウンはあるものの、それほど苦にならない。ましてリカバリーペースでのんびりと走っているので、周りの景色を楽しみながら走ることができた。この辺り道路はツールで利用されたこともあり、フォワ近くの街ではツールが来た時の名残であろう色々なモニュメント、ペイントなどが残っていた。

再びピレネーへ

今回のコース

翌8月29日はツールでも利用された峠を巡る。
フォワの街を通り、タラスコン=シュル=アリエージュという街まで22km程南下する。そこからニオー洞窟近くを通り、山間の緩い勾配の道を再びピレネー山脈へと進む。出発から32kmあたりにあるヴィクデソの村へ到着し、来たるヒルクライムへ備える。まず最初に登るのが、ポール・ド・レール(Port de Lers)。平均勾配が7%あり、距離もそこそこ。序盤と中盤に平均11%近くの勾配の箇所があるが、逆に少し緩い場所もある。

ポール・ド・レール(Port de Lers):標高:1517m、距離:11.5km、獲得標高:807m、平均勾配:7.0%

峠に関する看板。とても便利

ヴィクデソの街から暫くの間は山間の道を淡々と進む感じ。視界もそれほど開けないので、この辺りは走りに集中? 暫くして後ろを振り向くと今までいたヴィクデソの街やそれまでに通って来たであろう箇所を眺めることが出来た。頂上近くになってくると、段々と視界も開けてくる。雄大なピレネーの山々、森林限界を超えた?であろう木の生えていない牧草地などフランスの峠の光景だ。峠に到着後は暫しの間休憩し、近くにあるコル・ダニエ(Col d’ Agnes)へと向かう。

レール峠からの眺め

コル・ダニエ(Col d’ Agnes)はポール・ド・レール(Port de Lers)の峠の延長線にある峠。一旦レール池方面に下り、そこからまた登って行くのだが、ポール・ド・レール(Port de Lers)から距離的にはそれほど遠くない。

コル・ダニエ(Col d’ Agnes):標高:1570m、距離:4.8km(ポール・ド・レールから)、獲得標高:280m、平均勾配:7.0%

コル・ダニエからスペイン国境方面を眺める

6-8%ぐらいの勾配の道、若干の九十九折があるが2km少しなので時間もそれほどかからずに到着。峠からは遠くにフランスとスペインの国境であるピレネー山脈の雄大な景色を眺めることが出来た。ここまで晴れていた天気も峠に到着した際には曇り空で先行きがどうなるか分からないので、早々に来た道を折り返し、マッサの街まで20km近くダウンヒル。

一旦峠から大き下ってコル・・ド・ペゲール(Col de Péguère)の峠へと向かう。この峠はCol des Caougnousの延長線上にあるのだが、Col des Caougnousまでは距離が6.3km、平均勾配も4.7%とかなり緩い。ブッスナックという場所から、いよいよコル・・ド・ペゲール(Col de Péguère)への分岐となり、残りの3km近くを走るのだが勾配がめっちゃくちゃきつかった。

コル・・ド・ペゲール(Col de Péguère):標高:1375m、距離:9.8km、獲得標高:726m、平均勾配:7.4% 

まず最初の1kmの平均勾配は余裕の14.5%オーバー、その後も11%超えの平均勾配が続くのだ。この峠はツールにも組み込まれていたようで、レースであればまさにヒルクライマー天下、それ以外の選手にとっては振い落しされる絶好の場所だろう。

ガッツリとステーキ頂きました。

そもそもインナーロー状態でも相当踏まないと勾配15%近くの坂を登るのは難しい。そんなところへ連日の疲れとこれまでも峠を登って来た脚ではまさに生きた屍状態で、時速10km/hに満たない状況でなんとか脚をつかずに登りきったという感じ。登りきった地点では天候もそれほどよくなく、雲が空を覆っていたこともあって雨がいつ降り出してもおかしくない状況だ。景色を堪能することは出来なかったが、少し体も冷えて来たこともあり再び長いダウンヒルを経てフォワ、そしてホテルに戻って来た。夜はホテル近くのステーキ屋さんでガッツリと肉を栄養補給、翌日のアンドラへ向けて準備は整った(笑)

未知の国、アンドラへ

アンドラ公国、この名前を知っている人はどれぐらいいるだろうか?

アンドラ国境付近から登って来た峠道を眺める

バチカン市国のように有名な小国もあるが、アンドラもヨーロッパの中では中々有名な国だ。フランスとスペインの間で、ピレネー山脈に囲まれた場所にある。フランス大統領とスペインのウルヘル司教の2名による共同大公を元首とする国なので、両国から店などが進出している。飛行機は飛んでいないので、行くのであればフランスのトゥールーズ、またはスペインのバルセロナからバスやレンタカーなどを利用するのが一般的だ。

アンドラを囲むピレネーの山々

ちなみにこのアンドラは、ブエルタやツールでも度々利用されるヒルクライムを中心としたコースが目白押しである。自分にとっても未知の国であり、地図やインターネットで得る知識だけではイマイチピンと来ない。そんな国、アンドラへフォワの街からバイクを積んでレンタカーを走らせた。ピレネーの山々が近づいて来て、道が段々と峠へと伸びて行くのが見える。「あそこまで行くのか?」と遠くに見える荒々しい山脈へと続く道をひたすらと進む国境の検問らしき場所が見えて来た。

タックス・ヘブン、アンドラ・ラ・ベリャ

国が違えば当然パスポートが必要なのだが、EU圏内、特に車での移動においては国境での検問所らしきものはあるが、1台ずつ停車してチェックというような事は実施していない。ただ、アンドラはEUには加盟していない。(通過はユーロを利用しているけど・・・)それでも入国するのは素通りで全く問題なかった。ちなみに自分がドイツに住んでいた際、スイスへ抜ける場合には必ずと言って良いほど国境近辺の駅でのパスポートチェックがあったのが懐かしい。

アンドラ・ラ・ベリャ

フランスからアンドラへ入るには、国境越えの後に峠を越えるか、お金を払ってトンネルを通って近道するかのどちらかだ。自分は道を知らないので、そのまま突き進んだ結果、高いお金を払ってトンネルを抜ける羽目に。アンドラへ入国するのに相当登って来た反面、アンドラで一番大きな街で首都である、”アンドラ・ラ・ベリャ”へはその分一気に下って行く。周りは山に囲まれ、至る所にゴンドラが通っている。見た目は完全にスキーリゾートだ。国を縦断するであろう大きな道沿いにスイスを思わせるような綺麗なホテルが立ち並ぶ。そして何より、この国は過去タックス・ヘブンと呼ばれた無税の国だった。今では税金を取られてはいるが、免税もあって近隣のEU諸国よりは大体のものが安い。ガソリンも安いので、自分はレンタカーの給油はこの国でしっかりさせてもらった。

今回のコース

前置きが長くなってしまったが、”アンドラ・ラ・ベリャ”に到着後、早速と駐車場に車を置いてライドの準備。実はこのアンドラには、ツールなどでも活躍する選手も結構住んでいるとか?。そう言えばプロ選手のジャージを来たライダーを見たがあれは本物だったりして。(ブエルタ開催と同時期なので怪しいが。。)

前日にコースを調べておいたのだが、はっきり言ってこの国は”ヒルクライム天国”である。正直平坦がこの国には存在しないのでは?と思えるほど登るか、下るかしかない。早速スタートするもずっと登り基調。しかも勾配も結構キツイ箇所がある。まだ市街地なのにいきなりの洗礼パンチを喰らった感じだ。そして走る事少々で最初の目的地である”Collada de Beixalis”の登り口へ到着した。

Collada de Beixalis:標高:1795m、距離:8.66km、獲得標高:600m、平均勾配:6.9%

Collada de Beixalis

この峠は出だしから7-8%台の勾配の九十九折の坂が続き、登って行くと眼下に”アンドラ・ラ・ベリャ”の街を見下ろしながらのヒルクライムとなる。標高が高くなるにつれ、遠くにはピレネーの切り立った岩肌の山々も見えてくる。連日の疲れもあって、最初から脚が重くてしょうがないが、せっかくここまで来たのだからと淡々と軽いギアを選択して登り無事に最初の峠をクリア。その後は次の峠に向かうべく、ラ・マサナ教区にある”Sispony”という場所までダウンヒル。天気は雨こそ降っていないが、曇りだったのもあるが、峠の頂上付近ではそこそこ寒い。ジャージは長袖の薄いインナーといつものジャージを着用していたけど、下りではウィンドブレーカーが大いに役に立った。

Stravaセグメントの看板。初めて見た。

次に向かったのが、”Col d’Ordino”峠。本当は”アンドラ・ラ・ベリャ”から登り始めるのだが、自分は一旦前の峠を登り、途中にあるラ・マサナ教区から登り始めたので、実質この峠は頂上までの10km程走ったことになる。

Col d’Ordino:標高:1981m、距離:17.60km、獲得標高:951m、平均勾配:5.4%

Col d’Ordinoからの眺め

元々ダウンロードしていたコースが若干間違っており、峠へと続く舗装道路までに何故か険しい山道を自転車を抱えて登る羽目に。おかげでクリートカバーの1つをどっかに落としてしまった。気を取り直してこの峠を登っていくが、勾配は意外と緩い。ただし脚が相当に疲れていたので、それでもヘロヘロなペースで登って行く。天気が悪いこともあるが、もはや周りの景色等はどうでもよくて、完全に修行モードで何とか標高が1981m地点にある峠をクリア。当初の予定では、この後も峠を走るつもりだったが、脚の状況と既に夕方近くになっている時間を考慮してアンドラでのライドはここまでとして、”アンドラ・ラ・ベリャ”の街まで超高速なダウンヒル。
その後は、税金の安いこの国のスーパーなどに行って日本へのお土産などを物色する。レストランが安いかまでは分からないが、確かにお酒や食料品などはフランスと比較すると相当安い気がした。

そして帰路へ

アンドラでのヒルクライムを終え、フォワの街へと戻ってから一晩を過ごした。外は結構な雨が朝から降り続いている。この日は翌日の帰国に備えて、トゥールーズ国際空港近くの宿へ移動。ゆっくりとホテルで過ごし、高速を利用して空港近くのホテルへ移動した。

ムール貝たっぷりのパエリア

天気は雨模様だが、最後の最後なのでトゥールーズ近辺を最後に100km程走った。峠こそないもののフランス特有の丘陵地帯が多いので細かなアップダウンが続く。こちらの道は日本のようにしっかりと舗装されていないので、平地にしても下にしても踏み続けないと速度を維持できない。この辺りは海外で走って初めて分かる経験、そして日本の道路が以下に走りやすいかを身を以て知った。また信号が全くないので走ろうと思えばNon Stopで100km走れてしまう。これは本当に良い練習になる。フランス最後の走りをじっくりと堪能し、夜は最寄りのベルギー料理店でムール貝をこれでもか!と載せたパエリアを頂いた。

大好物Schnitzel。ドイツビールとの相性もバッチリ

翌日は朝早くの便でドイツのミュンヘンへ移動。トランジットの関係でほぼ1日自由になるので、久しぶりにミュンヘン市街へと出かけるも雨が断続的に降り続き、長袖じゃないと寒い。ドイツに来た際にはやはり本場の肉料理を食べたかった&B級グルメもということで、大好きなCarry WurstとSchnitzelを頂く。特に観光するわけでもなくブラブラとミュンヘン市街の店をウィンドウショッピングして、空港へ戻る。ミュンヘン空港は改装後にかなり充実した施設が整ったので、正直丸1日程度は空港だけでも十分な設備があるのではと思う。

R2-D2 Star Wars JETで帰国

空港でお土産を物色し、夜の便で日本に帰国。これでグランフォンドの世界大会、そして長い夏休みの幕が閉じた。気持ちは既に来年イタリアのヴァレーゼで開催される大会への出場だ。そのためには予選を突破しないと始まらない。実業団のレース出場を抑え、海外の予選への参加を含めてまた計画を立てなければ。こんな計画を立てているのが一番楽しく、来年また世界のライダー達と走れるよう練習にレースに楽しんで走っていきたい。

 

 

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