Trip Ride

秋の鯖街道を走る

「ツール・ド・おきなわ」を来週に控え、関西方面へ出張が入ったのを機に2014年以来の滋賀、福井、京都の1府2県をまたいだロングライドを慣行。今回、鯖街道と呼ばれる国道367号線(通称:若狭街道)と162号線(通称:周山街道)をメインとしたコースレイアウトなのだが色々と魅力のある場所も多いのでライドの記録と共に紹介できればと思う。

今回のコース

鯖街道って?
鯖街道は、鉄道や自動車が普及する以前に福井県の若狭湾で水揚げされた鯖を京都まで運ぶのに使われた道を指す名称だ。琵琶湖沿岸を通る「西近江路」や京都への最短ルートである「針畑越え」、周山街道と呼ばれる国道162号線、若狭街道と呼ばれる国道367号線などのルートがあったが、これらを称して鯖街道と呼んでいる。

鯖街道一覧

鯖街道で一番利用されていた若狭街道を北上

今回のルートは若狭街道。滋賀県高島市朽木村~福井県小浜市へ続く山間部の道を走る。
走り出していきなり現れるのが花折峠。距離は約2.5kmで平均勾配は7%程度の峠道だが、若干の九十九折がある。路面は良いので淡々と走れば時間的にも10分前後なので比較的楽な峠と言えるかも知れない。登り切ったところにあるのが、花折トンネルでこのトンネルを抜けるといよいよ葛川に沿って左右を山に囲まれた谷へと入る。花折トンネルを抜けてから、朽木村の中心となる「道の駅くつき新本陣」の辺りまでは距離にして約20㎞で下り基調なのもあり、ロードバイクならとても快適なライドが出来るのが良い。

朽木までの一風景

 

特に朝の日が上っていない時間帯はタヌキ、イタチを含む動物の飛び出しには注意したい。全面的に整備された国道やトンネルのおかげで今でこそ快適に走れるが、以前使われていた旧道はクネクネで車がすれ違うのも難儀する道幅の狭い道路でとても難儀した。

「道の駅くつき新本陣」の辺りにローソンがあるが、ここまでの20km、この後福井県に抜けるまではコンビニも無いので水分などの補給はここで行うのが良いだろう。朽木村の中心であるここからは、上り基調で道幅もそれほど大きくない渓谷を進んでいく。台風や雨が降った後は土砂災害も多い箇所でもあるので、走る前には交通状況は確認しておいた方がよいだろう。(2ヶ所程片側通行だった)

国道367号線に別れを告げ、303号線を進むと滋賀県と福井県の県境だ。程なくすると左手に「道の駅若狭熊川宿」が現れる。熊川宿は若狭街道の宿場町として使われ、今でも昔ながらの町屋が残る場所だ。規模的には小さいので自転車では流す程度に街並みを見る程度でも良いと思う。

鯖街道!

熊川宿を過ぎれば小浜市ももうすぐ。今回は立ち寄っていないが、小浜は若狭中心部に位置し、三方五湖にも近く海の幸も楽しめる中々良いところである。時間があればお昼時などに海鮮系の食事をするのもありだろう。

もう一つの鯖街道 ”周山街道”

小浜市からはもう1つの鯖街道である国道162号線を走って京都方面へと向かう。国道162号線は周山街道と呼ばれている歴史ある街道だ。小浜からまず向かうのが名田庄(過去は名田庄村だったが、今は新設されたおおい町の一部)。

名田庄へ向かう風景

雲がかかって幻想的な風景に

距離的には約25㎞程で南川沿いを南西へ突き進む。少し上り基調ではあるものの、景色も綺麗で自転車で走るには中々良い道だが、京都へ向かう車も多いのか曜日や時間帯によって少し交通量は気になるかも知れない。名田庄を越えると福井県と京都府の県境に位置する堀越峠へと向かうことになるのだが、名田庄には「道の駅名田庄」があり、小さいながらも設備は十分なので、峠前に小休止するには良いだろう。

道の駅名田庄

道の駅名田庄にあった茅葺き屋根の家

堀越トンネルを抜けて20km近く下るとかやぶき屋根で有名な里、京都府南丹市の美山町に到着だ。清流を誇る由良川水系の美山川や棚野川、それらの川に沿って古いかやぶきの住居が多数現存して自然景観との調和は見事だ。鉄道も通っていない一見不便とも思える田舎な町だが、自転車乗りにとってはとても魅力ある目的地になる場所だ。美山町にある「道の駅 美山ふれあい広場」にはバイク、自転車共に多くのライダーが集まっている。この辺りで有名なジビエ(猪、鹿などを使った料理)を中心としたコロッケなども販売していた。

美山かやぶきの里

美山周辺の風景

今回のコースではここで周山街道を離れ、府道38号線を通って「美山かやぶきの里」を通り、佐々里峠を抜けて花背へと向かう予定だった。峠に向けて10km程走るといきなり道路が通行止めに。どうも佐々里峠の手前で土砂崩れがあったようだが、さすがに分岐のある場所へ片道10km、また10kmかけて戻るのは結構億劫だった。それにしても「美山かやぶきの里」近辺は観光客が多く集まっており、休みの日ということもあり、多くの自転車乗りに出会った。

土砂崩れで佐々里峠へは行けず。。

再び「道の駅 美山ふれあい広場」へ戻ってきた後は、元の周山街道を通って京都方面へと南下開始。すぐに深見峠へと続く上りが始まる。この峠は勾配は緩いのでペースで走ればそれほど苦労する峠ではないだろう。峠を越えると京北町まで下り基調なので一気に駆け抜ける。今度は「道の駅 ウッディー京北」に立ち寄ったが、この日は丁度イベントが開催されており、多数の屋台が出回っていたのでしっかりと補給した。

道の駅 ウッディー京北でのお祭り

“酷道”477号線

「道の駅 ウッディー京北」を後にして、今度は国道477号線を走りだす。桂川沿いを東に走る。この辺の道路は至って快適で走りやすい。当初走る予定であった府道38号線との分岐(佐々里峠の逆側)を超え、いよいよと京都市北部の奥座敷、鞍馬、大原へ向かう際に立ちはだかるのが花脊峠だ。花脊峠は距離が少し長く勾配は最初は緩め、峠前が少しキツイが鞍馬側から登ると10%以上の激坂が続くので、今回走った逆側から登る方が楽だ。本当は峠まで一気に駈け上がりたかったが、運悪く電話がかかってきたので、途中で停止を余儀なくされてしまった。次回チャンスがあればタイムアタックでもしてみたい。

国道477号は三重県四日市市から大阪府池田市まで続く総延長215.5kmの国道なのだが、本当に国道なのか?と思うような酷い箇所があり、”酷道477号線”と呼ばれることも多いぐらいマニアには有名な国道だ。ここでは詳細は省くが、是非Wikipediaでどんな道なのか確認してみてほしい。

花脊峠を超え、九十九折の道を下ると突然「百井別れ」と呼ばれる国道477号と府道38号線の分岐へと差し掛かる。正直分岐というレベルではなく180度ターンだ。また見た目からもこれが「国道」とは誰も思わないだろう。ここからは百井峠を超える必要があるのだが、道幅も狭く、悪路で急勾配なこともあり、まさに酷道である。そして自転車乗りにとっても国道477号線においては、最難関の峠の1つであると断言できる。

百井別れから百井峠への道は狭く、路面もガタガタ、落枝、落石などかなり悲惨な状況だ。勾配は10%になれば楽に感じ、容赦無く15%以上の激坂が牙を剥く。サイコンの記録だけ見ると28%と記録されている場所もあったし、当然ながらシッティングでは太刀打ちできずに、ダンシングでガシガシ登らないといけない箇所が多々あった。これまでに200km近く走ってきた脚では平均時速は10km/hを下回って狭い道を蛇行しながら何とか登りきった。

180度ターンな百井別れ

斜度20%以上の激坂百井峠とお地蔵さん

百井峠を越えると、大原百井町まで林道のダウンヒル。その後はこれまた激坂(逆から登った場合)で有名な前ヶ畑峠を超えてようやくと国道367号線の分岐まで下ってくる。367号線から伊香立途中町までは少し登ることになるが、勾配はそれほどキツくないので心配する程では無かった。今回のライドでは琵琶湖の東側からスタートしたこともあり、伊香立途中町から堅田まで下り、琵琶湖大橋を渡って農道の中を走って無事にゴール。コース変更を余儀なくされて総距離237km、獲得標高も2,336mと中々ハードなライドとなった。ただし信号も少なくとても走り甲斐のあるコースなので、是非またチャレンジしたいと思う。

ライドの記録はこちらから

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