五島列島 新上五島町へ
祈りの島と称される船でしか行けない島
五島列島のことはTVなどで知ってはいたものの、「釣り」が有名な程度でしか知らなかった。2019年の冬、ふと旅に出かけたくなり、できることなら暖かい地域の九州や沖縄などが良いだろうと物色を始めた。そんな時、自分にとっては遠くて道の島、五島列島のことが頭をよぎり、気がつけば島のことを色々調べていた。調べるうちに、五島列島の中通島、若松島からなる新上五島町には潜伏キリシタンの面影を残す多くの教会が残っていることを知り、フェリーを使えば金曜の業後に出発しても土曜朝には島に付けることが分かったので、新上五島町を今回の旅に選択することに。
ここは3泊4日、自転車で周った新上五島町の旅の記録である。
旅のスケジュール
2019
羽田から飛行機で福岡へ。博多港発の「フェリー太古」で新上五島の青方港へ移動
2019
自転車で新上五島町の中通島の北部に点在する教会巡り
2019
自転車で新上五島町の中通島の南部に点在する教会巡りと若松島へ
2019
頭ヶ島にある頭ケ島天主堂へ。その後、青方港発の「フェリー太古」で博多港へ。そのまま福岡空港から羽田へ飛行機で帰宅
新上五島町って?
九州最西端の島、五島列島の北部に位置する新上五島町は、中通島、若松島を含む7つの有人島と60の無人島から構成されている、人口約20,000人の町です。五島列島は福江島を除き、船(高速船、フェリー)でしか行けないのも特徴で、特に上五島は潜伏キリシタンの歴史を色濃く残した数かる教会が今でも現存しています。
上五島には手付かずの自然も数多く残っており、展望台に行けば絶景が目の前にいつも広がっています。また、この島に来たなら、「五島手延うどん」や「かんころ餅」と言った郷土料理を是非味わって欲しい、そんな魅力的な町です。
新上五島町の観光に関しては、公式のHPに詳しく載っているので、是非ご確認ください。
HP: 新上五島町観光なび
コース紹介
新上五島町には2月9日の土曜朝着、その日から3日間自転車でこの島を走って満喫してきたので、それぞれ走ったコースを以下に紹介します。1日目は新上五島町の中通島北部を中心に教会巡り。2日目は中通島南部と若松島まで足を伸ばしました。最終日は頭ヶ島教会見学のため、午前中縛りのライド。今回思ったのは、距離はそれほどでもないですが、最初の2日間の獲得標高が2,600m以上とまさにアップダウンの多い山岳ライド。新上五島町のある中通島、若松島は登り(しかもキツい)が多いことを覚悟しておきましょう!
新上五島 Day 1
新上五島 Day 2
新上五島 Day 3
旅の記録
Day 1 – いざ、新上五島へ
業後に羽田空港から福岡空港までフライト。輪行していた自転車を組み立て、博多港まで自走し、港近くの温泉で汗を流して深夜23時45分発の「フェリー太古」に乗り込む。フェリーは「グリーン寝台」を予約。一部屋に4人、プライベートな空間もあるのでとても快適だった。またフェリー自体も綺麗で五島列島に行くならお勧めだと思った。ちなみに新上五島町の青方港には朝5時30分着とかなり早い。
野母商船
フェリー太古」のオンライン予約、船などの説明含めて詳細が記載されています。
フェリーをお考えの方は、事前にご確認ください。
Day 2 – 中通島北部周遊ライド
フェリーで青方港に到着後、激しいあめが降っていたが、自走でお世話になる宿「時愉亭」へ。チェックインの時間には大分と早いが、部屋に入れてもらえたので、シャワーで雨に濡れて冷えた体を温めることが出来た。
暫くして雨が小降りになったタイミングで、新上五島の北部と東部を時計回りに教会を訪れるライドを開始。各教会に寄りながら、島を巡るが地図では一応道があるのだけれど、実際にはほとんど車も通らずに落石などで荒れている場所も多かった。
途中で矢堅目などの景勝地で休憩しながら、島最北部の津和埼灯台を目指す。ただ、この島は本当にアップダウンが多くて、登っては下りの連続でかなり脚が削られた。
教会の数も多いので、寄り道の頻度も高くなるが、何とか津和埼灯台に到着し、眼前に広がる野崎島、小値賀島を暫く眺め、南下を開始。一旦宿のある場所まで戻り、今度はそのまま東に進んで、頭ヶ島へ。頭ヶ島には世界遺産登録の頭ヶ島天守堂があるが、予約が必要なのでこの日は断念。上五島空港跡地で写真を撮って、そのまま「坂本龍馬ゆかりの広場」を経て島の海岸沿いを走る道へ突入。ここもほとんど車が通らないせいか、落石などで道がかなり荒れていた。カーブを曲がったところで、猪に出くわしてかなり焦った。(向こうもびっくりしていたけど)
何とか、細い山道を抜けて集落に出る。そのまま宿まで帰り、1日目のライドは終了。
Day 3 – 中通島&若松島ライド
3日目は中通島南部と若松島、若松島から橋で繋がっている、有福島、日島を時計回りにぐるっと周遊するライドへ。今回も点在する教会に寄りながら走った。出だしからすぐに、峠に差し掛かり、早速のヒルクライム。頂上を超えて下る際に、左手に朝焼けが見えて綺麗だった。
その後は海岸線沿いを南下して、奈良尾手前の福見教会へ。暫く見学した後、奈良尾を超えて南部の海岸線沿いの山道へと入る。この辺りは虎星山の周りを県道が走っているのだが、半島の西側に入ると名も無い道に変わり、一気に道幅が狭くなる。米山展望台で美しい風景を見て、桐教会へ。そして若松島へと向かう。
若松島と中通島の間には「若松大橋」という大きな橋がかかっており、この下を五島列島は福江方面へと向かうフェリーを含め航行している。橋からの景色も素晴らしく、入り組んだ海岸線や無人島などが点在しているので本当に絵になる場所だ。
若松島も海岸線沿いを周るルートを選択して走ったのだが、如何せん道の状態があまり良くない。舗装路に関しても道幅が狭く、落石などの後も見られるので要注意。ただそこからたまに見える景色は最高でした。若松島の北部は何と未舗装で砂利というよりは石ころだらけの道が4km近く続いていて、パンクしないか本当にドキドキしながら慎重に走る羽目に。グラベルバイクならこんな面白いところは無いのだろうけど。。。
その後は、若松大橋を一望できる龍観山展望所で休憩。青方港を経由して無事に2日目のライドを終えたのだが、獲得標高が2,800mオーバーと本当によく登るコースだった。
夜は宿の人が勧めてくれた、「麺´sはまさき」へ。中々お洒落な感じのお店で名物「地獄炊き」や五島牛などおいしい食事を堪能しました。
Day 4 – 頭ヶ島天守堂、そして帰路へ
4日目、遂に最終日である。2日目に寄った頭ヶ島で、頭ヶ島天主堂は事前に見学の申し込みがサイトから必要(以下参照)だと知り、最終日の4日目朝に予約が取れた。待ち合わせ場所は上五島空港のビル内にある、インフォメーションセンターだ。
島までは自転車でライドし、時間前に無事到着。ここからバスに乗って、頭ヶ島天主堂へと移動。内観含めて小一時間ばかり見学した。
頭ヶ島天主堂
所在地:南松浦郡新上五島町友住郷頭ヶ島638
見学時間:09:00〜17:00
ミサの時間:第2&第4日曜 15:00~17:00
見学受付:頭ヶ島天守堂見学事前受付
備考:2021年4月1日から「頭ヶ島パーク&ライド」を廃止し、
直接乗り入れができるようになったようです。
その後は再度上五島空港までバスで戻り、自転車に乗って少し中通島を散策、青方港で昼出発のフェリーを待つ。博多行きのフェリー太古は、青方港を昼12時過ぎに出発し、博多には夕方6時前に到着した。往路と違い、昼間のフェリーなので外の景色も楽しめ、平戸や唐津、糸島などの風景を楽しめた。ただ、復路は若干波が高くて、結構船が揺れて吐きそうになった。。。
博多港についてから、急いで福岡空港へと走る。預けていた輪行バッグをコインロッカーから取り出し、自転車を解体、袋に詰めて夜のフライトで福岡から羽田へ帰京。何だかんだ半日ちょいで移動できるもんだ。。
業後の移動もあったとはいえ、3日間五島列島の新上五島町を満喫できた旅だった。2月という時期だったので、寒さはかなり厳しかったが、逆に教会などはゆっくりと見て回ることが出来た。機会があれば、今度は福江島の方に是非行ってみたい。
Restaurant, Cafe, Meals
麺’s はまさき
創業から40年を数える「浜崎製麺所」がオープンした「麺´sはまさき」は有川港近くにあるお店です。昼は定食、夜は居酒屋として地元の方をはじめ、人気のあるお店です。
こちらの名物は何と言っても「地獄炊き」。沸騰したお湯にうどんをいれて茹で、鍋からうどんをすくって卵に醤油と薬味をいれたつけ汁で食べるんですが最高に美味しかったです。他にも五島牛のステーキなどもあり、上五島のグルメをたっぷりと味わえます。
麺´sはまさき
所在地:〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷字茂串2427-16
営業時間:11:00~14:00, 18:00~21:30
定休日:火曜日(夜)、水曜日
Accommodation
時愉亭
時愉亭は有川港近くにある、素泊まりの宿。アパートのワンルームそのままで、お風呂、トイレ、ベッドなどの最低限の設備が揃っており、部屋も清潔でした。ランドリーがあるのも自転車で走りに来た自分にとってはありがたかったですね。
食事は近くのお店で食べる、またはスーパーで買い出しするなども出来るので、リーズナブルに宿泊するならおすすめの宿です。
時愉亭
所在地:〒857-4211 長崎県南松浦郡新上五島町有川郷2399−2
TEL:050-3704-5515
Email: kamigoto@jiyutei.com
HP: https://www.jiyutei.com/
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