青森一周RAAM走行会へ参加

青森一周RAAM(アメリカ横断レース)予選会および走行会

大会名称青森一周RAAM(アメリカ横断レース)予選会および走行会 2021
会場東横INN新青森駅東口
出場クラス650km JUCA走行会:ソロ男子(18歳以上)
距離650km

コース紹介

コース
難易度
10/10
走行距離
10/10
ヒルクライム
10/10

走行記録

走行距離655.04km
獲得標高5,329m
平均速度25.4km/h
経過時間31:24:01
今回のルート 

走行距離、獲得標高、山岳勾配やコースなどによって著者の判断で決定。

距離の目安

  • 星1: >50km
  • 星2: 51-100km
  • 星3: 101-150km
  • 星4: 151-200km
  • 星5: 201km<

獲得標高の目安

  • 星1: >500m
  • 星2: 501-1,000m
  • 星3: 1,001-1,500m
  • 星4: 1,501-2,000m
  • 星5: 2,001m<

リザルト

結果 TIME km/h
完走
31時間28分
25.4 km/h

RAAMとは?

Race Across America の略称。アメリカ大陸横断自転車レース。この大会には予選会を通過した者だけが参加できるのですが、これまでは日本での予選会がありませんでした。そんな中、実際にこちらのレースに参加された方を中心として「日本ウルトラサイクリング協会合同会社(Japan Ultra Cycling Association 略称 JUCA)」を立ち上げ、日本でもRAAMへ参加したいライダーを支援、予選会も開催して日本にいながら、アメリカ横断レースへの参加資格を得れることとなりました。この予選会と実際にはRAAMには参加しないが、同じコースを走る走行会が青森で開催。今年は第2回ということで、スポーツエントリーで見つけて、今回JUCA走行会へと参加することに。今回の参加枠と制限時間は以下のとおりでした。

 参加カテゴリー別制限時間

 RAAM予選会年齢区分 制限時間
 ソロの部18~49歳 男性:32時間以上
女性:34時間以内
50歳以上 男性:34時間以内
女性:38時間以内
 リレーチームの部 18歳以上男性・女性・混合:30時間以内
 JUCA走行会 ソロの部 18歳以上男性・女性:40時間以内

なお、RAAM自体の詳細については、JUCAのHPを参照ください。

今回は計10のCPがあり、40時間以内に完走しないといけないので事前にルートの確認と仮眠を取る場所を探したのですが、意外と24時間空いている施設が無かったこと、大会前には天災による影響で当初のコースが土砂崩れもあり走れないことに。主催者側でコース変更となったので最悪はコンビニで仮眠ということで、予定は立てずに走れるだけ走ろうと決めました。

準備編

装備

650kmという未知なる距離への初挑戦でもあり、珍しく事前準備も行いました。まずはブルべでも当たり前な反射ベスト。特に夜間走行に入るので、安全の意味でも必須です。既にフロントライト、リアライトは持っていますが、予備のライトも購入してしっかりと準備しました。チューブレスタイヤを活用してますが、タイヤを持参するのは面倒なので、パンク対策にはチューブを用意して最悪はチューブレスをチューブ化する形に。ここに有事の際の輪行グッズやモバイルバッテリなども加える形で臨むことにしました。
 

自転車配送

今回は新幹線で新青森駅まで移動することにしました。自転車は輪行でも良かったのですが、いつもご用達のシクロエクスプレス配送サービスを利用。こちらは佐川急便が配送してくれるのですが、場所によっては翌日配送や大体の時間指定もできるので非常に便利です。今回宿泊する東横イン新青森駅東口へ事前に連絡し、荷物の受け取り、引き渡しが出来る事を確認して大会3日前に自転車を預けました。おかげで荷物も少なくなり、移動も輪行と違って気を遣うこともなく快適におこなうことができました。

ブリーフィング

大会は土曜日の朝から行われることもあり、自分は木曜日の業務後に新幹線で新青森まで移動。ブリーフィング会場となる東横イン新青森駅東口に宿泊して翌日はホテルでリモート勤務し、夕方からのブリーフィングへ参加し、注意事項などを聞いて不明点などは確認します。やはりコロナウイルスの影響もあり参加を見送った方も多く、参加者は予選会、壮行会併せても数えるほどでした。それもあって、全員で自己紹介して意気込みを語り、その後は一部の参加者と一緒に近くのお店で夕食を取りながら、大会のこと、RAAMのことなど色々とアドバイスなども頂きました。

ライドレポート

スタート~CP1東田沢郵便局(39.5km地点)

当初のスタート時間ではなく、人数も少ないのでRAAM予選会へ参加する方とほぼ同時にスタートする形となり、朝6時過ぎに集合して記念撮影を経て、まずは予選会出場の選手が出走開始しました。

遅れること5分で走行会メンバーが出走。今回走行会は3名のみの参加なので、ほぼ単独走行です。序盤青森市内を抜けるまでは信号も多くてストップ&ゴーの繰り返し。市内を抜けて夏泊ホタテラインを走って最初のチェックポイントである東田沢郵便局へ。ここまでは周りの選手は自分よりもペースが速かったのでCPには一番最後に到着。(といっても他参加者とCPでは一緒になりますが・・・)ここまでは結構向かい風も強く、所々にあるアップダウンも後から脚に響きそうなので、普段なら使わないインナーで上って脚の温存に努めました。CPでは写真撮影が証明になるので、サクッと写真を取って次のCPがあるむつ市へ向けて下北半島へと向かいます

Aug 21, 2021

CP1~CP2:DCMホーマックニコット川内店(146.2km地点)

下北半島は野辺地からむつ市まで延々と国道279号線を北上します。相変わらずの向かい風で脚を削られつつもマイペースを維持して途中ファミリーマートで初めての小休止。むつ市に入ったところで、走行会の2名に追いついたので合流して川内町へと向かいます。途中海上自衛隊などの基地を横目に陸奥湾の景色をみながら、走っていると一番速いいチームの選手とすれ違いました。距離にすると約20km近くの差が生まれていたので、相当は差があったのですが、自分はマイペースで無事に第2チェックポイントのDCMホーマックニコット川内店に到着。ホームセンターながら食料品も売っていたので、ここで2回目の休憩をします。

Aug 21, 2021

CP2~CP3:ファミリーマート東通り店(215.7Km地点)

次のCPに向けて来た道を戻ってむつ市まで戻ります。その後は“稔りふれあいロード”を経て尻屋埼灯台方面へと走りますが今度は昼時というのもあって結構暑くなりました。コースは尻屋埼灯台までは行かずに途中で国道394号線へ入ります。その後はファミリーマート東通り店へひたすら南下して無事に到着。この間は補給、休憩なしで細かいアップダウンもありましたが、一気に駆け抜けました。コンビニで補給し少し長めの休憩をしていると、チーム、ソロの各選手に追いつかれていつの間にか追い越されていました(笑)ちなみにRAAM予選会に参加する場合、走る選手とサポートする側双方の参加が必要です。チームの場合は複数人でローテーションしながら走り、車の中で休むことが出来るので基本的にノンストップで走行可能です。ソロの場合は走る選手とサポートする側(車でサポーターは何名でもよさそう)なので、不要な荷物、トラブル時の備えなどをサポートしてもらえるので、身軽に走れますし補給も必要な際に受け取れます。(トイレや休憩などは必要になりますが・・・・) いずれにしても、走行会に参加している自分達は自分で補給、休憩、荷物まで持って走る必要があるので装備的にはヘビーになりますし、チームの選手達のように車で休んでノンストップとはいきません。。

Aug 21, 2021

CP3~CP4:蕪島(302.8Km地点)

八戸市にある蕪島までは平地が続くので楽に走れるかと思いきや、意外とそうでもなくここに来てお腹が減ったりして途中のコンビニで休憩と補給を繰り返すことに。交通量もありペースも落ちました。夕暮れ時を過ぎていよいよ日が落ちて暗くなり始めたころに、蕪島のチェックポイントへ到着し、証拠となる蕪島神社の写真を撮ったころには日が暮れてナイトライドへ突入となりました。

Aug 21, 2021

CP4~CP5:ミニストップ階上店(317Km地点)

次のCPまでは最短となる15㎞程しかないのですが、その間は本来であれば絶景が広がる種差海岸沿いのアップダウンを走ります。そしてこの辺りから今まで快調に走って来ていたものの体に異変が起こり始めます。300kmを超えてきてから、少しずつ左膝横が痛くなり始め、腸脛靱帯炎(いわゆるランナー膝)になって痛みがだんだんと強くなり、ペースが一気に落ちます。特に上りなどで踏み込む際の痛みが段々と酷くなりかなり辛い状況に。

距離は短いながら大幅なペースダウンもありミニストップ階上点に到着してからはストレッチと補給で少し時間を使いましたが、先もあるので出発します。

Aug 21, 2021

CP5~CP6:ファミリマート十和田バイパス店(376.4Km地点)

今回のライドで一番辛かったのがこの区間。アップダウンもありますが、登り基調になり距離もそこそこある中で左膝横の痛みがかなり強くて、かばいながらじゃないと走れず、ペースダウンはもとより、途中棄権も頭の中にはありました。というのも十和田バイパス店の後は今回最大の登りである八甲田山が待ち構えているからです。足の痛み、登りと満身創痍になりながら何とか十和田バイパス店に辿り着くことが出来ました。

ここではRAAM予選会へ参加しているソロ選手と合流することになり、少し会話して脚の話をすると、何とこの方も痛み止めを飲みながら満身創痍で走っているとのこと。痛み止めを分けてもらって早速と服用します。特にここからは登りが続くので痛みがある状況では厳しかったので助かりました。

Aug 21, 2021

CP6~CP7:鮫ケ湯(424.1Km地点)

八甲田山へのヒルクライムに向けて暫くは奥入瀬渓谷入り口まで緩い登り基調の国道を進みます。暫くすると痛み止めの効果が出て脚から痛みが消えてようやくと普通に走れるようになります。時刻は深夜0時を過ぎてここから単独で1,000mのヒルクライム開始です。インナーローを多用して勾配10%を超える坂を幾度ともなくこなしてゆっくりですが進みます。脚の痛みが消えたとはいえ、既に400㎞以上走っているので疲れているのは間違いないので・・・・・

外灯もなく、車も通らずフロントライトが照らす明かり以外には漆黒の世界。九十九折で木々に囲まれた道はちょっとした肝試しです。 聞こえるのは獣?の鳴き声ぐらいでスピードが出ないのがもどかしい。深夜なので肌寒さも感じながら2時間近くが経過してようやくと最高地点へ到着し、空が見える場所まで来ると月明かりもあり、そこに薄っすらと浮かぶ八甲田山を見ることが出来ました。少し下った個所にある鮫ケ湯で証拠写真を撮って、弘前方面へと今度は深夜のダウンヒルを開始します。

Aug 22, 2021

CP7~CP8:岩木山神社(476.2km地点)

八甲田山から弘前市へ向けて、真夜中3時過ぎのダウンヒルはフロントライトを明るくしていないと遠くまで見通せないので危険です。今回は1200ルーメンのライトを2つ持ってきていたので、ここぞとばかりにハイビームで快適にダウンヒルすることが出来ました。ちょうどダウンヒルを終えたところで、主催者の方が待っていて声をかけて頂き、弘前市内は朝になると混む可能性が高いので、夜明け前に抜けてしまった方が良いとアドバイスをもらったので、少しペースを上げて岩木山神社を目指します。朝4時過ぎで車通りも無く、信号で若干停止はあるものの快調に弘前市内を抜けることができました。その後は岩木山に向けてのヒルクライムが待ち構えていたのですが、ここで雨に降られます。今回は天気予報を確認して雨は何とか避けられそうだったので、ウインドブレーカーは持参してましたが、雨具的なものは用意せず。少し強めの雨に降られて結構濡れましたが、雨は直ぐに上がったので雨中ライドを強いられずに済んだのは助かりました。

岩木山神社に到着するころに丁度夜明けを迎え、証拠写真を撮って次のCPへと向かいます。

Aug 22, 2021

CP8~CP9:ファミリーマート小泊店(555.4km地点)

岩木山神社を後にして、暫く登りが続きます。雨が上がって眼下には雲海が広がる素晴らしい景色に出会えました。登りは辛いですが、このような景色に出会えることもあるので、悪くはありません。次のCPは津軽半島にある小泊で距離も結構あるので、それなりに時間がかかりそうです。疲れた脚では平地であってもそこまで速度はもう出ません。力というよりは効率的なペダリングで走ることがやはり大切ですね。鯵ヶ沢を過ぎて津軽半島に入ってから、通称メロンロードと呼ばれる道を走ります。強烈な睡魔が襲ってきました。ここまで仮眠もとらずに走ってきたのですが、ここに来てとにかく急に眠くなり、このまま走るのも辛いので、少し田舎の脇道に入って自転車を置いて、道路の上で暫く目を閉じ、20分程度の仮眠を取ります。完全に寝るわけではないですが、眠さに抵抗せずに目を閉じているだけで体は回復するのが凄いところです。暫くすると睡魔も落ち着いたので、再度CPへ向かって走り出します。十三湖を過ぎ、国道339号線に入ってから小泊まで何とか走り切り、ファミリーマートで補給します。ここからは最後の難関、龍飛崎へ続く登りが待ち構えています。もらった痛み止めも効果が薄くなってきているので、何とか効力があるうちに上りきりたいので、気合を入れて鋳釜崎へ向かいます。

Aug 22, 2021

CP9~CP10:鋳釜崎(602km地点)

最後の難関、龍飛岬へと続く登りに入ります。この道は意外に勾配がキツイ。。。10%を軽く超えてくるので、インナーローとダンシングを組み合わせてゆっくり、ゆっくり、脚に負担がかからないように上ります。フレッシュな状態ならそれほど時間もかからず登れるのでしょうが、既に東京~大阪以上の距離を走った後では簡単ではありません。6km以上、平均勾配7%あるヒルクライムを40分近くかけて何とか走り抜け、ここからは願望の良い岬のダウンヒルで一気に下ります。ここから鋳釜崎までは最後の難関を超えたので安心していたのですが、結構アップダウンがあってダメージをくらいながらも何とか到着し、証拠写真を撮って、いよいよゴールまで最後の50kmへと入ります。

Aug 22, 2021

CP10~ゴール:新青森駅前656.6Km地点)

最後の50kmはほぼ平坦で国道280号線を陸奥湾沿いにひたすら南下します。この50㎞はとにかく向かい風が強くて大変でした。風が強いのでスピードも出ないので、思ったように進みません。脚も疲れてるのでパワーも出ないし、平地なのにヒルクライム的な速度で走ります。時間も昼を過ぎて暑くなり、途中でドリンク補給をしながら、ようやくと青森市内へと入ります。ここからはゴールまでは市街地を走りますが、後はもうゴールするだけなのでこれまで走ってきた場所やライドのことを感慨深く思いながらゴール地点へと向かいます。まだスタートしてから1日ちょいなのにすごく昔の記憶のような感じがライドの長さを示すものかも知れません。

ソロで昨日スタートした場所へ戻ってきて無事にゴール。ホテルに戻って、主催者に完走したことを伝え、証拠写真やレシートなどを見せて無事に完走が認められました。一応公式記録としては31時間28分とのことでした。(ちなみにサイコンだと31時間24分) ソロで走ったのにタイム的にはRAAM予選会の基準タイム内に走れたので、満足です。

Nov 09, 2017

RAAM青森を走り終えて

今回の大会では長距離を走って初めて経験すること、準備の必要性を改めて認識、実感することが出来ました。特に300km, 400kmを超えてきてからの体へのダメージなどは普段の200kmライドでは出てこない症状含めて本当に予想が付きませんでした。痛み止めをもらわないと走り切れなかったでしょうし、装備に関しては途中で宿泊などしなければ、もっと軽い装備でも良かった気もします。想定通りにいかず、当初のハイペースから脚の痛みが出てからは一気にペースダウンで気が付けば自分が目標としていた24時間ちょいぐらいのタイムを大きく超えた結果となりました。

補給に関しては比較的上手くいった気がするので、それほど問題は無かったです。後、少し無駄になりますがホテルを連泊で抑えていて、走行後すぐにシャワーと仮眠を取れるよう準備していたので、こちらも直ぐに汗を流して寝ることができたので良かったです。今回の結果を受けて、1,000kmへのチャレンジはまだ難しいなと思いつつも、実はまた来年参加することも楽しみにしています。こんなに過酷なイベントも中々ないですしね。

Accommodation

東横INN新青森駅東口

新青森駅近くにあるビジネスホテルでこの近辺だとほぼこのホテル1択かも知れません。出来てまもないので、部屋含めて非常に綺麗ですが、周りにはお店も少ないので、RAAMのような大会が無い場合、青森まで出て宿泊した方が良いかも知れません。

インターネット、朝食も込みなのでリーズナブルなのは間違い無いです。

東横INN新青森駅東口
所在地:〒038-0003 青森県青森市石江2-11-2
TEL: 017-761-1045
HP:公式HP

関連記事

  1. 2020年、夏 – 庄内〜出羽三山を巡る旅

  2. 情緒ある奥久慈〜棚倉〜栃木東部を走る

  3. 絶景の日本海パークライン

  4. The PEAKSラウンド9 鳥取大山 – 『ド変態増し』

  5. 魅力の東北 3泊4日で巡った秋田と青森

  6. 2021 国境サイクリング in 対馬 Part 1

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA