2023 UCI GRAN FONDO WORLD CHAMPIONSHIPS

8月4日にスコットランドのパースで開催されたUCI GRAN FONDO WORLD CHAMPIONSHIPSに参加したので、レポートです。数年振りの出場となりましたが、初めてスコットランドへ訪れました。

大会情報

大会名称2023 UCI GRAN FONDO WORLD CHAMPIONSHIPS
会場PERTH, Scotland
出場クラスUGFWS 45~49歳
距離160.4km

コース

リザルト

RANK TIME +TOP(M:S) km/h
24
4:07:35
+0:32
38.532km/h

プロローグ

受付会場
少しですがショップも出てました

日本を8月2日の朝に出発し、ロンドンでの乗り換えを経てスコットランドのエジンバラへと向かいます。過去他の参加者も経由便でロストバゲージしたケースが結構あり、特にバイクや荷物のロストは日程に余裕がない場合は致命的なので、ロンドンまでの航空券とロンドンからエジンバラまでの航空券は別々に抑えて一旦ロンドンで荷物を受け取って、更に預けることにしました。おかげで無事にロストバゲージすることなく無事に目的地であるエジンバラに到着することが出来ました。

到着したのが深夜(飛行機が1時間遅れて、手荷物も出てくるのに非常に時間がかかったので)だったので、空港最寄りのホテルに1泊してから翌日に今回同行をするHさん夫妻をレンタカーでPickupして受付会場のあるパースへと向かいました。

ちょうどお昼にパースの街に到着し、早々に受付を済ませます。参加賞もなくあっさりとした受付でグッズなどを販売している店も少ないのですが、UCIというブランドを掲げたグッズには興味を惹かれてしまい、ボトルを購入してしまいました。

その後は翌日レースで走ることになるコースを車で周ることに。スタート地点からアップダウンが続く道を進んでスコットランドらしい風景の広がる渓谷地帯へ。この辺りは車で走っていながらも景観が素晴らしかったです。その後、アバーフェルディの街へとやってきたのですが、お腹も空いたのでこの街で昼食を頂くことに。雰囲気の良さそうな「Habitat Cafe」でサンドイッチとフライドポテト、ホットチョコレートを頂きましたがとても美味しかったです。(店の前でギターを弾いていたおじさんが良い味を出してました)

サンドイッチとホットチョコレート美味しかった
デュワーズの蒸溜所

昼食後、そのままコースを周ろうかと思ったのですが時間もかかりそうなので、ここで宿泊地であるダンディーの街へ向かうことにしました。道中にアバフェルディ蒸留所があったので立ち寄ります。流石にツアーはお酒も飲めないので断念ですが、少しばかりお土産にウイスキーを購入、その後にダンディーへと移動、ホテルにチェックインして軽くダンディーの街を走って翌日のレースに備えました。

レースレポート

レース前半

レース当日、スタートが10時55分と遅いこともあり、ダンディーの街を8時過ぎに出発してゴール地点となるスクーン宮殿に車を停めて準備をします。多くのライダーが集まっており、20分前には自分自身が参加するクラスの隊列へと並びましたが、並ぶのが遅くて少し後ろの方になってしまいました。

各年代が5分おきにスタートし、いよいよ自身のグループも同様にスタートしました。今回のコースは大きく3つの登りを含めたセクションに別れているのが特徴です。最初はパースの街を走り、45kmほど緩やかなアップダウンを経ながら400m近く登っていきます。街を抜けるとスコットランドらしい風景が広がってツールを走っているような気分でした。ペースもそこまで上がらなかったので集団は団子状態に。前に行こうにも中々難しいので集団中程の右側を中心に走っていたのですが、この間に落車が数回発生。なんとか巻き込まれずにすみました。一度は真横でパンクした選手がバランスを失って転んで自分とは逆側に倒れたのですが、かなり多くの選手を巻き込んで肝を冷やしました。

最初のセクションは緩やかにアップダウンが続いたこともあり、選手が大きく分断されるようなこともなく下って昨日も訪れたアバーフェルディの街へと到着。ここからはコースを下見していないので初めてになりますが、60km地点から早速と2つ目の登りが始まります。

レース中盤

約7kmで平均勾配が4%、300m近くの登りです。ここは序盤がの勾配が6%少しで3kmほど続くのですが、先頭はダンシングでかなり上げて登っていきます。遅れを取らないように何とかしがみつき、耐えていましたが徐々に遅れて第2集団で何とかクリアすることが出来ました。幸いにもその後は下りで集団の効果もあり、無事に先頭集団に追いつくことが出来ました。この2つめの登りで集団は大きく先頭集団と第2集団に分かれた模様です。

その後は細かいアップダウン、少しばかりの登りがありましたがインターバルになっても集中して走れば遅れることなく集団の中に残ることが出来ました。そして95km地点から始まる3つめの登りへと突入。ここは序盤の勾配が10%ぐらいあり、約3kmで200mほど登ります。前の選手がダンシングでガンガンと上げるので、付いていけるところまで頑張って自分もダンシングで登りますが、ただ、彼らのペースには付いていけずに徐々に遅れ始めます。先頭付近で登り始めたおかげもあり、中盤から終盤にかけて後ろから追いついてきた選手達に何とかしがみついて、10名ほどのグループで頂上を通過。今回のレースにおいて本当に千切れそうで一番苦しかったですが、何とか踏みとどまることが出来ました。

レースの模様(radmarathon.atよりリンク)

レース後半

コース的には残り60kmは下り基調ですがアップダウンが途中に幾つもあるような形です。第2集団で頂上を超えた際、30秒から1分ほど先に先頭集団と思われる集団が見えました。この第2集団でも10人少しの選手がいたこと、そして前に追いつくべく下り基調とはいえ、そこからはハイペースで先頭集団に追いつくべくローテーションしながら前を追いだします。ここではイギリスとアイルランドの選手が非常に強かったです。そしてこのハイペースなローテーションも常に50km/h以上のスピードだったので辛かった。。。同じく集団で残っていた日本人選手と励ましながら何とか千切れずに走っていると暫くして前方に大きな集団が見えました。

この集団に追いつくと別世代の第2集団のようでした。気付きませんでしたが同年代の先頭集団にも同時に追いついたようです。(大きな集団から年代が違っても抜け出そうとすれば、追いかけてくる選手もいるので、結果的に先頭集団も大きな集団のまま進むことになっていたようです)

残りの距離は30km少しありますが、集団に入ったことで先ほどまでのハイペースから緩んだこともあり大分と楽にはなりました。ただ集団が大きくなった分位置どりは難しく、同年代の選手がアタックしても集団にいると前を追えなかったりしましたし、何より先頭集団に追いついたことを走っていて認識もできていませんでした。

下見と試走をしていなかったので、突然ゴールはやってきます。一応はサイコンにコースは入れていたのですが、途中からはコース表示はせずに走っていました。その結果いつの間にか残り2kmを切っており、スクーン宮殿への入口が突如として現れます。ここは非常に狭くて何人かの選手が曲り切れずに落車していました。その後どれぐらいでゴールかも分からずにペースが上がったので付いてはいくものの、スプリントするまでではなく、何とかそのままゴールラインを越えることになりました。

レース終了後

ゴールしてからまずはスタートからゴールまで常に一緒に走った日本のN選手と健闘を讃え合い、ライブリザルトの結果を教えてもらうと、予想もしていなかった24位で先頭からは32秒差。同じ集団で走っていた選手の先頭が5位で20秒少しの差だったので、最後位置どりとスプリントで頑張ればトップ10に入れた可能性もあったようですが、それはタラレバの話です。

これまでに世界大会に数回参加した中では最高の成績を収めることが出来ましたが、これは今回のコースレイアウトが自分には大きくプラスになった結果だと思っています。もし勾配のキツイ登りがあったり、登りの距離が長ければきっと千切れていたでしょう。余力が無い中でも最後までしがみつけるギリギリの強度とコースだったのが幸いしました。

人によっては優勝や上位を狙っているでしょうが、自分の目標は無事に完走すること、自身で悔いのない走りをして結果が良ければなお良しということで、今回のレースではこれらが達成できたことに個人的には十分満足できました。

その後、他カテゴリの選手が続々とゴール、日本人選手達もゴールしてきます。中には落車に巻き込まれたり、パンクなどで思うような結果や走りが残せなかった選手達もいましたが、これらはレースである以上誰にでも起こり得るので難しいところです。今回同行したH選手も無事にゴールしたのでホッとしました。その後も日本人選手達で写真撮影や談笑をして労を労います。その後、ようやく車を移動できる時間になったので、表彰式を尻目にダンディーの街へと戻りました。夜はお疲れ様ということで、ホテル近くにあるステーキのお店でお肉をたっぷりと頂き、レース中の出来事など色々と楽しい話をして無事に1日を終えることが出来ました。

レース後はボリュームたっぷりのステーキで祝杯

エピローグ

レース翌日はスコットランドでも最も美しいと言われる渓谷と呼ばれるグレンコーへ。レンタカーで2時間近く走ってタインドラムという街を起点に走り始めます。周りはまさに写真で見た絶景が広がり、点在する湖や聳え立つ渓谷など本当に素晴らしかったです。天気は悪かったですが、それもスコットランドらしかったですね。唯一問題があるとすれば、観光地であるがゆえにグレンコーを通る道の交通量が多いこと。自転車で走っているとかなりの車の多さにびっくりしました。本当はグレンコーの街を超えて周回コースを考えていたのですが、渓谷を抜けて街へと向かう際に雨足が相当強まったので、グレンコーの街に着く前に来た道を折り返して帰ることに。それでも往復路で壮大な景観を見れたのは良い思い出になりました。

グレンコー

グレンコーを後にしてダンディーへと車を走らせ、夜はH夫妻とパブへ。ウイスキーが有名なスコットランドですがビールもそれなりに美味しかったです。名物のハギスと呼ばれる茹でたヒツジの内臓ミンチ、オート麦、たまねぎ、ハーブを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹る(もしくは蒸す)詰め物料理を頼みますが、その日は用意がなく断念。クセがあるようですが、一度は食べてみたかった。代わりにフィッシュ&チップスを食べ、その後は麺が恋しくなり中華のレストランで少しばかり食べて終了。皆お疲れだったようで食事もお酒もそこまで進みませんでした。

セント・アンドルーズ近くの景色

翌日の朝は、ダンディーからセント・アンドルーズまで早朝のリカバリライド。日の出ぐらいのタイミングだったこともあり、素晴らしい風景に出会うことが出来ました。

朝9時前にはホテルに戻ってきてチェックアウトし、H夫妻をエジンバラ空港まで送り届けるはずが、レンタカーにシーコンのバッグを入れると3人どうしても乗れない状況に。H夫妻の奥様だけバスでエジンバラ空港に向かってもらうことになって申し訳ない。その後はエジンバラの街へと向かって少しばかり市内を観光。ハリーポッターのミュージアムやエジンバラ城などを横目にエジンバラの目抜通りを歩きました。丁度サマーフェスティバルのタイミングだったので、街は混雑しており、大道芸人も沢山いました。エジンバラ近郊を少しばかり走ろうかと色々と探しましたが、車を停める良い場所も見つからず、時間も16時近くだったのでそのまま空港近くのホテルにチェックインし、レンタカーを返却してトラムで再度市内へと向かいました。

次は旧市街の方へと向かってエジンバラ市内のパブで夕食と飲み。ここで念願のハギスを頼んで食べましたが、個人的には全然大丈夫で美味しかったです。お酒も何種類か頂いてほろ酔い気分になったので、再度トラムに乗り込み空港近くのホテルに戻って帰国に備えます。

Victoria Street
お祭りで混雑するエジンバラ市内
エジンバラ城

翌朝、9時過ぎの飛行機でロンドンのヒースロー空港へ。日本への飛行機は夜7時なのでたっぷりと時間はあったのですが、荷物の受け取りなどしていると市内へ行くほどの時間もなく、チェックインにも時間があったので、空港の荷物預かりにバイクとスーツケースを預けて、第3ターミナルにあるレストランへ。ここはプライオリティ・パスと呼ばれるカードで15£分の食事や飲み物が提供さるので、ビールとカラマリを昼食がわりに頂きます。その後は空港内を少しブラついているとチェックインが始まったので荷物を預けて早々に保安検査を抜けて制限エリア内へと入りました。お店のショッピングなど色々と見た後はラウンジでのんびりと時間を潰して自身の乗る飛行機に搭乗、14時間という長い時間をかけて無事に羽田空港へ到着しました。6日間という短い期間ではありましたが、レースが良ければ全て良しということで非常に満足度の高い遠征になりました。一緒に走った日本人選手、同行してくれたH夫妻は自分の旅を更に充実させてくれたので、改めて感謝です。

飛行機から見たロンドン

旅のTIPS

今回の旅も含めてですが、海外遠征をする際に気を付けていることを少しTIPSとして残しておきます。何かの役に立てば幸いです。

自宅から空港までの荷物配送

自宅から空港までの距離とどのような輪行袋を利用するかにもよりますが、自分はQBICLE バイクポーターSTD(スタンダートサイズ)をここ数年は愛用しています。ディスクブレーキやケーブルの内装化に伴い、ハンドルの取り外しができなくなったので、輪行するにしても袋がない。シーコンのバッグは候補ですが、現地で嵩張るのもあり、折り畳みもできて荷物も沢山収納可能なこちらの箱に収まっています。(後、ちゃんと梱包すれば一番衝撃に強い)ただ、このサイズになると空港まで電車で運ぶのは困難、タクシーにも乗らないので特定の運送会社に頼むか自身で空港まで運ぶ手段が必要です。空港から遠くに住んでいれば自家用車を空港に停めてということもできますが、自家用車を持っていない自分はレンタカーで一度荷物だけ運んで、後から電車で向かうなどの検討も必要です。そんな問題を今回はPickGo エクスプレスというサービスで解決しました。荷物の受け取り場所、時間と配送場所、時間を指定できる点、空港では到着前に携帯まで連絡をもらい、乗降場所でピックさせてもらいました。こちらは空港から自宅への配送の際にも同様に空港での場所を指定して到着前に連絡をもらい、すぐに受け渡しをすることもできました。軽バンタイプで10kmぐらいだと5500円だったので、タクシー+α的な金額で済んだのでリーズナブルだとは思っています。

自転車を飛行機で運ぶ

直行便、または経由便の場合は荷物を経由地で一度受け取る方法がロストラゲージのリスクを減らせるので、少し値段が高かったり、面倒でも日程に余裕がない場合はこの手段を用いることでリスクを減らせます。同一の航空会社で経由便で目的地に向かう場合、荷物をそのまま載せ替えてくれますし、大体問題は無いのですがお客様の数(荷物の数)や空港または航空会社によっては経由地で荷物を積みかえないケースなどもありますので、その場合はすぐに荷物を受け取れません。。直行便だとほとんどのリスクはないでしょうし、経由地で一度荷物を受け取る場合も同様なので、特にレースの場合などは意識して航空会社やチケットを選んだ方が良いです。過去オーストラリアのパースで開催された大会、イタリアのバレーゼで開催された大会ではキャセイパシフィック航空を利用した日本人選手複数名が荷物が同じ便で届きませんでした。。。(他の航空会社でもありました)意外と出くわす可能性は高いと思います。。。

航空会社によっては、自転車を手荷物として預ける際にサイズが指定されていたり、事前に申告が必要だったりします。必ず事前に確認をして、必要であれば申告をしておきましょう。特に海外での乗り換えなどがある場合、申告がない場合、乗客数や荷物が多いと載せてくれないこともあります。

またCO2カートリッジのボンベなども取り上げられるケースがあります。こちらは航空会社側が無知なケースもあるのですが、不要なやり取りもあるので、ボンベが必要なら現地で調達を考慮した方が無難といえます。自分は飛行機輪行を含めて遠征の際にはTopeak MEGA MORPHを愛用しています。軽くてインジケーターもついており、遠征にもぴったりなのでホテルなど場所を決めて走る場合はとても有用です。

Restaurant, Cafe, Meals

Habitat Cafe

所在地: 1 The Square, Aberfeldy, Perth & Kinross, PH15 2DD
電話番号:+441887822944
営業時間:Wed-Sun 10.30am - 04.00pm
定休日: Mon,Tue
HP: 公式HP

アバーフェルディにあるお洒落なカフェ。美味しいコーヒーやホットチョコレート、スープにサンドイッチが楽しめます。

Dundee Centre Beefeater

所在地: Riverside Drive, Dundee, Scotland DD1 4XA
電話番号:+441382203240
営業時間:Mon-Sat 11.30am - 11pm, Sun 12pm - 10.30pm
定休日:年中無休
HP: 公式HP

ダンディー市内のリバーサイドにあるステーキハウス。ボリュームたっぷりのお肉と美味しいお酒が頂けます。予約しないと入れないので、忘れずに予約しましょう。(ネットから予約可能)

Dirty Dick’s Pub

所在地: 159 Rose St, Edinburgh EH2 4LS
電話番号:+441312609920
営業時間:Mon–Fri 12 pm–late, Sat 11 am – 1 am, Sun 11 am – late
定休日:年中無休
HP: 公式HP

エジンバラ市内のパブで地元のウイスキーやリキュールを楽しめます。ハギスなど地元料理も頂くことができます。店自体はそれほど大きくはなさそうですが、17時過ぎに訪れた時にも多くの人で賑わっていました。

関連記事

  1. 2022 NISEKO CLASSIC

  2. 第17回Mt.富士ヒルクライム

  3. 袖ケ浦チャレンジ2022

  4. 袖ケ浦チャレンジ2021

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA